有名テニスラケットメーカーHEADのテニスラケットグラフィン360+EXTREMEシリーズのうち、ツアー・MPの2つを試し打ちする機会があったのでレビューします。
グラフィン360+エクストリームシリーズは全部で7機種あり、配色はほぼ同じですがそれぞれ少しづつスペックが違います。
今回レビューするのはそのうちの2本「エクストリームツアー」と「エクストリームMP」
先に少しだけ結論を書くと、しっかりとスピンがかかることと適度に柔らかい打球感。
また快適な操作性を感じる優れたラケットでした。
両ラケットのスペックや打った時の違いなど、詳しくは続きを読んでください。
HEADテニスラケット「グラフィン360+エクストリームTOUR/MP」のスペックと特徴
グラフィン360+エクストリームTOUR/MPの大きな特長はスピン性能。
グロメットの形も特徴的で、他のラケットに比べると明らかにグロメットの穴が大きいです。
ストリングがグロメットに触れないようにグロメットホールを大きくし、ストリングの可動域を広げています。
このグロメット形状のおかげでストリングがフレームの外側から始まるために
- スウィートエリアが広くなる
- フェイス面積以上のパワーが得られる
- ストリングがよく動くためスピンがよくかかる
といったメリットが得られます。
この構造自体は真新しいものではなく、過去にウィルソンやプリンスがこの形状のグロメットを搭載したラケットを発売していましたね。
それなりに効果はあるのだろうと思います。
HEADグラフィン360+エクストリームTOURのスペック
・ラケットの重さ:平均305グラム
・バランスポイント:平均315㎜
・カラー:グレー✖イエロー
・グリップサイズ:G1・G2・G3・G4・G5
グラフィン360+エクストリームMPのスペック
・ラケットの重さ:平均300グラム
・バランスポイント:平均325㎜
・カラー:グレー✖イエロー
・グリップサイズ:G1・G2・G3・G4・G5
グラフィン360+エクストリームTOURを打ってみた感想
スピンがよくかかるという前評判を聞いていたのですが、実際にボールを打ってみたところ感じたことは安心感のあるスピンラケットだということ。
強烈にスピンがかかるというよりも、トップスピンを打とうと思えば毎スウィング外れなくイメージ通りにスピンがかかり、ふかすことがないラケットという印象です。
ストロークをしている時に高いボールが来たときにスピンがかからず大きくアウトした経験ってありませんか?
逆にネットの下段にバッサリとかけてしまったことはないですか?
グラフィン360+エクストリームTOURは、そんなスピンのかけそこないが起こらないラケットでした。
毎スウィング毎ボールが安定してネットの高いところを超えてベースライン手前で落ちてくれるために安心してスウィングできるんです。
シングルスで対戦して嫌な相手ってミスをしないプレーヤーですよね。
このラケットを使ってトップスピンを放ち続ければ自然にシングルスが強くなるのではないか?
そう思えるくらい安定感のあるスピン性能を感じるラケットです。
打感についてはツアーモデルにしてはマイルドな感触でした。
強いボールに負けてしまうような気配はありません。
むしろ相手のボールを跳ね返し、それ以上のパワーボールを打ち返すことができる潜在力を感じました。
HEADグラフィン360+エクストリームMPを打ってみた感想
先にエクストリームツアーを打った後にMPを打ちました。
ラケットフェイスがわずかに大きくやや軽いため、MPは非常にスウィングしやすいと感じました。
フレーム厚もMPの方が厚みがあるためボールの飛びに関してはMPの方が優秀。
打感はツアーと同じくらい適度に柔らかい打球感です。
さて肝心のスピン性能についてですが、ツアーに比べると劣るというか、劣っているというよりもボールの飛びが良くて、スピン性能よりボールの飛びの良さをより強く感じるために、スピンに際立った印象を受けないというのが感想です。
ツアーのようなアウトの心配のいらない安心感のあるスピン性能ではなく、スピンがかかるのはもちろん、さらにラケット全体のパワーが上乗せされて爆発力のあるプレイができそうな気にさせてくれるラケット。
スピン+パワー+マイルドな打感=グラフィン360エクストリームMP
という公式のようなものが頭に浮かんだので書いておきます。
300グラム100インチというバランスの良さも魅力的で、他のメーカーのラケットユーザーが乗り換える際にも壁を感じなくて済むスペックでしょう。
HEADテニスラケット【グラフィン360+エクストリームツアー・MP】はこんな人におすすめ
HEADのグラフィン360+エクストリームの売りは「スピン」です。
それは否定しませんが、実際に打ってみると意外と快適な打球感やラケットバランスの良さに気づくことができました。
エクストリームツアーはやや重くてフェイスも狭いので、このスペックを扱えるようなしっかりスウィングのできる方に使って欲しいと思います。
試合を意識している男性プレーヤーにはピッタリではないでしょうか。
必ずコートに収まってくれる安心感をぜひ感じて下さい。
ツアースペックを扱うのはちょっと・・と思う方にはMPをおすすめします。
エクストリームMPがスピンだけでなく力負けしないパワーを与えてくれること間違いなしです。
グラフィン360+エクストリームはHEADラケットの中では扱いやすい部類なので、ヘッドのラケットを使ってみようかなと思っている方にも大きな違和感は感じないと思います。
HEADグラフィン360+エクストリーム、かなり良いラケットですよ。
HEADテニスラケット【グラフィン360+エクストリームツアー・MP】の長所と短所
グラフィン360+エクストリームシリーズのツアー・MPの長所と短所をまとめました。
HEADテニスラケットグラフィン360+エクストリームツアーの長所
打てば誰もが分かることですが、長所は気持ち良くスピンがかけられることです。
どフラットに当てればスピンはかかりませんが、ボールに対して少しでも下から(上から)スウィングすれば勝手にスピンがかかってくれます。
またラケットに重みがあるので、しっかりスウィングすれば重みのあるスピンをかけることも可能。
300グラムでは物足りないスピン派プレーヤーにはこの長所を感じ取れると思います。
相手の強烈なスピンに負けないで、それ以上のトップスピンを相手コートにねじ込めるスピン性能がツアーモデルの長所です。
HEADテニスラケットグラフィン360+エクストリームツアーの短所
スピンがかかることの裏返しになりますが、伸びのあるボールが飛ばしにくいかなと感じました。
優れたスピン性能のおかげで安定感や安心感はバツグンです。
ですが相手のやや甘いボールを引っ叩いてエースを取りたいと思っても、勝手にボールにスピンがかかり、球速が落ちてしまう。
するとエースのはずのボールが相手に追いつかれてしまうケースが出てきます。
フラット系主体のプレーヤーにはストレスを感じることが時々あると思いますね。
グラフィン360+エクストリームMPの長所
大まかな長所はツアーと同じですが、MPは一般ユーザーにもスピン体験ができるラケットです。
軽くスウィングしてもスピンをかけることができるので、今までスピンを体感できなかった方にもボールがグン!と落ちる体験ができます。
ネットの高いところを通してもベースライン手前にボールが落ちてくれる安心感は試合を意識しているプレーヤーにはありがたいですね。
グラフィン360+エクストリームMPの短所
大きな欠点のないラケットですが、あえて言うならば打感がぼやけている印象です。
硬くてガツッとした打球感が好みの方には物足りないかも知れません。
HEADテニスラケット、グラフィン360+エクストリームのテクノロジー
HEADの最先端技術が詰め込まれたテニスラケット、グラフィン360+エクストリームに搭載されたテクノロジーを簡潔にご紹介します。
最適化されたエネルギー伝達を実現するHEAD独自のグラフィン360テクノロジーに、フレックスを高めクリーンな打球感を実現する革新的なスパイラル・ファイバーを組み合わせた最新テクノロジーです
グロメットの穴を大きくすることによりストリングの可動域が大きくなり、同じフェイス面積のラケットに比べてガットのたわむことでスピンがかかりやすくなります。また、グロメットとの接触箇所がラケットの外側になることにより、スウィートエリアが大きくなる効果もあり
ボールをヒットした時のねじれを抑える構造のことで、全方向へのねじれを抑えることによりコントロール性とスピン才能の向上を図っている
グラフィン360+エクストリーム2020【ツアー・MP】テニス仲間の感想と評価
ヘッドのラケットはとにかく硬いというイメージがありましたけど、エクストリームは意外と優しい打球感ですね。
手首や肘に不安のある方には良いかも知れません。
僕はラケットにスピン性能を求めるタイプじゃないのでHEADエクストリームを使い続けたいとは思いませんが、楽にスピンがかかるのは間違いないですね。簡単にスピンがかかってくれるラケットです。
あんまりラケットの違いって分からないんですけど、エクストリームはスピンがかかっていることが少し分かって嬉しい!
重かった(MPを使用)ですけど自分にもスピンがかけられるんだと思うとちょっと感動です。
いつもフルスウィングでトップスピンを打っている僕にはピッタリのラケットかも。
グリグリに強いスピンがかかるので嬉しくなりますね。
僕みたいなスピンプレーヤーには向いているラケットだと思います。
僕が使うならMPよりツアーがいいですね。
楽にスピンがかかるのは評価できます。
ただ個人的には使いづらいかなと・・。
理由は打感があまり感じられないことと、スピンが勝手にかかってしまうところ。
ラケットが悪い訳じゃなくであくまでも好みの問題なので気にしないで下さいね。
しっかりとスピンがかかるのは間違いないのでスピン好きのプレーヤーには良いと思います。
スピンがしっかりとかかってくれるので、ストロークのアウトミスが格段に減りますね。
試合向きのラケットと言えるんじゃないでしょうか。
ベースラインからスピンで粘るプレイスタイルの人には好まれるラケットだと思います。
シングルスの試合に出る人にとってはスピンがかかってベースライン手前で落ちてくれるラケットは有難いです。
エクストリームはシングルス向けのラケットだと思います。
HEADグラフィン360+エクストリーム2020【ツアー・MP】まとめ
ヘッドのテニスラケットの中では最もスピンに特化したシリーズという前評判でしたが、実際に打ってみてそれを実感することができました。
ストロークをしていても、とにかくボールをふかすことがなく、安心してラリーができます。
スピンプレーヤーでなくてもスウィングすればスピンがかかり、ベースラインの内側にきっちりとコントロールできるのは本当にありがたいですね。
ダブルスで相手のボレーヤーの足元にスピンでコントロールするのも簡単!
ボールの伸びは良いとは言えませんが、テニスは決められた枠(コート)の中にボールをコントロールするスポーツなので、グラフィン360+エクストリームがそれを簡単にしてくれるラケットと言えそうです。
全てのトップスピナーはもちろんのこと、今までトップスピンを実感したことのない方にもお勧めできる「スピン特化」のラケットです。
テニスは回転(スピン)を操ればさらに面白く、またミスが少なくなります。
それが実現できるグラフィン360+エクストリームは実戦向けのスピンラケットと言えそうです。