ウィルソンの営業の方がやってきました。
ラッシュプロ2.0と、まだ発売されていない新作ラケットの宣伝をするためです。
10分で終わります!というので話を聞いていましたが、まあ話が長い!!
軽く30分は語っていました。
そしてラッシュプロ2.0を履いて試して欲しいとのことで、各サイズを置いて帰りました。
ウィルソンの人の話を全て覚えている訳ではありませんが、覚えている限りのことと、ラッシュプロ2.0を履いてみたので、そのレビューを書いてみようと思います。
ラッシュプロはどんなシューズ?
ラッシュプロのシリーズはいくつか発売されていますが、ラッシュプロのシリーズはフォアフット(前足部)の重要性をテーマに打ち出しています。
フォアフットとは、足を3つに分けて考えた時の先の部分にあたります。
人の足は前足部がもっとも幅が広いため、ラッシュプロは人の足のカタチに合わせた形状をしています。
そのため他のシューズとはフィット感が違うという訳です。
僕も初期のラッシュプロを履いていた時期があるのですが、そう言われてみれば足にフィットする感覚がありました。
もうひとつの特徴は、衝撃吸収材が内臓されていないということです。
他のメーカーから発売されるほぼ全てのシューズには何らかのクッション素材がシューズの底に内臓されていますが、ラッシュプロには入っていません。
理由は、人間の足には天然のクッション材とも言える機能が備わっているので、それを信じて活用することが大事だというのです。
また、クッションが良いシューズはレスポンスも悪く、足の疲れを促進するのだとウィルソンは言います。
レスポンスが悪いとは、クッションが良いシューズは足で地面を蹴った時に、その衝撃が吸収されてしまし、速く動けなくなるという意味です。
また、クッションの良いシューズは、例えるなら砂浜の上を走るようなもので、速く走ることもできず、いたずらに足を疲れさせることにもつながると言っていました。
なるほど、そう言われてみればそうかも知れませんね。
そして人の足が持つ天然の衝撃吸収材を効果的に活用するために、かかと部分は狭く設計されているとのことです。
それがこの写真
他のシューズに比べて後ろのシルエットが細くなっていますね。
このようにかかと部を狭くすることによって、足裏のかかと部の脂肪が中央に寄り、足の持つ天然のジェルを効率よく作っているそうです。
ラッシュプロ2.0はどんな人に向いている?
このシューズはテニス中級者から上級者向きです。
先ほどまでのラッシュプロの特徴を備えた上で、さらに高いパフォーマンスを引き出せるような工夫がラッシュプロ2.0には搭載されています。
そのひとつは、シューズの前傾の度合いです。
ほとんどのシューズはやや前傾になるように、足先になるにつれて徐々にソールの厚さが薄くなっています。
しかしラッシュプロ2.0はそうではありません。
なぜなら、テニスは前方向だけでなく、全方位に動くので、どの方向にもバランス良く動きやすくするには深い前傾は良くないとの考えからです。
初心者のうちは前方向に力が入りやすいために、前傾姿勢をとりやすくなるようなシューズの方が良いが、レベルによって動きが変わってくるために、ラッシュプロ2.0ではフラットな姿勢を維持しやすくつくっています。
同じラッシュプロでもテニスのレベルによって違いを出しているということです。
また、ラッシュプロ2.0は足を入れる部分が非常に狭くなっています。
それは、足首をぴったりとホールドするためだそうです。
履きやすさの面を考えると広い方が履きやすいのですが、パフォーマンスを重視して考えると、足首は一番細い部分となるために、その部分を広くつくるのは間違っているとのことです。
そして、シューズの高さ(くるぶしの部分)は比較的低く設計されています。
最後に、ラッシュプロ2.0はメンズ、レディースで設計が少し違います。
レディースモデルは、内股になることを防いでくれるような形に設計されています。
内股はスムーズな足の動きを阻害すると言われているので、女性に多い内股のクセのある人にも対応した作りになっているようです。
ラッシュプロ2.0を履いてテニスをした感想
まずはこのフィット感に驚きです。
ウィルソンの人が言うには、今まで余裕を持ってサイズ選びをしていた方も、ラッシュプロ2.0を履く際にはピッタリのサイズ選びをして欲しいとのことでした。
言われた通りにピッタリの、いやむしろキツイと思われるサイズを選んで履いてみました。
すると履く時はやや苦労したものの、履いてみると足全体がキュッとシューズに包まれている感覚になります。
かといって、どこか足の一部分がシューズに当たって痛いという訳ではなく、本当に足全体を引き締められたような感じです。
それはテニスシューズを履いているという感じではなく、まるでアスリート仕様のランニングシューズを履いているような感じです。
素足に近い感覚といった方が良いかもしれません。
素足で走っているような感じなので、コートの感触を足の裏で直に感じ取れるような気がするほどに、本当にピッタリと足に吸い付いてきます。
動きやすさは抜群です。
レスポンスも非常に良いです。
踏み込んだ感触、地面を蹴った感触、着地した感触、それらが毎回足に伝わってくるので、自分がどのような足運びをしているのかがハッキリ分かります。
反面、あまりにも足にピッタリとフィットしているために、長時間履いていると足の緊張状態が続き、脱ぎたくなります。
休憩時間には靴紐をゆるめて、スリッパなどに履き替えることをお勧めします。
足にピッタリとハマる感覚が苦手な人には向いていないかもしれませんね。
まとめ
アスリート仕様のラッシュプロ2.0は、日本で人気のアシックスに負けまいとウィルソンが送り込んだ刺客のテニスシューズです。(ウィルソンの人がそんな感じのことを言っていました)
確かに今までのテニスシューズとは一線を画した感じがあります。
ライバルをテニスシューズではなく、アスリートシューズ(陸上、サッカー)に想定しているのではないかと僕は個人的に感じました。
足の感覚を重視したい人、あと半歩速く動きたい人、テニスを素足(のような感覚)でしてみたい人にはお勧めのテニスシューズです。