ヨネックスの注目ラケット、2021モデルVコア98と100を試し打ちすることができました。
さっそく新生Vコアの打感や飛び、各ストロークでの感想などを書いていきます。
先に少しだけ感想を書くと、大きな変更点はなくVコアの良さはそのままに打球感がマイルドになったラケットという感想で、Vコアシリーズのファンを離さずに新しいファンを獲得しようというヨネックスの思惑が垣間見れた気がします。
2021モデルの新作Vコア98と100のスペックや詳しい感想は以下を読んでください。
Vコア98のスペック
・重量:305グラム
・バランスポイント:平均315mm
・フレーム厚:22.5-23.0-21.0(mm)
・ストリングパターン:16✕19
・推奨テンション:45~60ポンド
・推奨ストリング:ポリツアーREV・ポリツアーSTRIKE
・グリップサイズ:G2・G3
Vコア100のスペック
・重量:300グラム
・バランスポイント:平均320mm
・フレーム厚:24.0-25.0-22.0(mm)
・ストリングパターン:16✕19
・推奨テンション:45~60ポンド
・推奨ストリング:ポリツアーREV・ポリツアーSTRIKE
・グリップサイズ:G1・G2・G3
Vコア100「2021モデル」を打ってみた感想・評価
ヨネックスのメイン機種であるVコアがどんなラケットに仕上がっているのか?個人的にめちゃくちゃ楽しみにしていました。
発売前に試し打ちをさせてもらえる機会があり、ありがたく堪能しました。
同じように新Vコアを楽しみにしている方はぜひ参考にして下さい。
2021Vコアは前作とこう違う!
スペックに違いはありませんが外見(カラーリング)がレッドをベースにしたブルーとのツートンカラーになっています。
Vコアのイメージカラーの赤を残しつつ、アクセントを加えたという感じで、デザインについてはマイナーチェンジ。
打球感はハッキリ分かるくらいマイルドになったと感じます。
イメージカラーの赤を残しつつ
打球感がマイルドに
Vコア100の打球感は改善?改悪?
前作より柔らかくなった打球感は大きな改善点と言えますね。
弾きの良い素材を使って剛性を高めラケットに仕上げると、ボールはよく飛ぶしスピンもかかりますが、どうしても硬い打球感になりがちです。
個人的に前作のVコアの不満点があるとしたらこの硬い打球感だけでした。
硬かった打球感がマイルドになったのは肘や手首に不安を抱えていたユーザーにとっては朗報ではないでしょうか。
さらにVコアのファンが増えるのではないかと思います。
ストロークの感想
弾きよし、スピンよし、面安定性にも文句なしと、安心してストロークができる優秀ラケットです。
ポリストリングを張ってストロークをすると特に感じるのがスピン性能。
相手コートのベースライン手前でギュン!と落ちてくれるので、アウトを恐がらずにスウィングできました。
簡単にエッグボールが打てるラケット?というのは言い過ぎでしょうか。
しっかり順回転をかけたスウィングをすれば、きちんとボールが落ちてくれる素直なラケットです。
ボレーの感想
ラケットバランスにクセがないためか、ボレーのラケット操作がしやすく感じました。
速いボールにも負けないし、面ブレもしない。
ソフトなタッチが必要なショットも難なく打てましたよ。
ネットプレイ好きのプレーヤーにも好まれるラケットだと思います。
サーブの感想
スライスサーブやスピンサーブなどの回転系サーブはとにかくキレを感じます。
デュースサイドでのスライスサーブは鋭く外へ逃げていくボールも打てるし、アドサイドでのスピンサーブはしっかりと相手のバック側へとキックさせることができました。
フラットサーブもイメージ通りに飛んで行ってくれて、ハッキリ言っていうことなし!
縦に長いスウィートスポットのため、高い打点(ラケットの先に近いところ)でボールを打つと遠心力を使えて、より強いスピンの効いた、より強いボールが打てるのではないかと思いましたね。
Vコア98とVコア100を両方打って分かったこと・違いについての感想
Vコア98と100のフェイス面積は2インチしか違いません。
スウィートエリアへの当てやすさについては正直言って違いを感じるほどではありませんでした。
ウェイトの違いは5グラムほどで、こちらも気のせい?で済まそうと思えば済ませられる違いです。
ですが、トータルではやっぱり98の方が重量感と同時に安心感もあります。
振りやすさにも違いを感じました。
扱いやすさについては、僕はいつも300グラムのラケットを使っているので、やっぱり305グラムになるとラケットに引っ張られる感じがあります。
慣れていないこともありますが、自分でラケットを操作している感じとラケットに振り回されている感じでは大きく違います。
従って僕には98インチを合わないと感じましたが、逆にいつも300グラムオーバーのラケットを使っている方には98インチの方が使いやすく感じるでしょう。
重いラケットの方が相手の速いボールにも負けにくくなるのは間違いないので、快適に扱えるなら98インチモデルを選ぶと良いでしょうね。
Vコア2021の長所と短所
Vコア2021モデルの長所と短所について、管理人が思うところを書いていきます。
Vコア2021の長所
全体のバランスが取れたラケットですが、特にいいと感じるのはスピン性能ですね。
打球感もマイルドになったこともあるので、今作のVコアはポリストリングを張ってガシガシとスピンボールを打ちたくなるラケットです。
ギュン!と急激に落ちる心地いいスピンを体感できるでしょう。
Vコア2021の短所
性能的な短所を感じることはありませんでしたが、あえて言うならデザインかな…と。
車でもそうですが、変なツートンカラーが爆発的にヒットした商品は聞いたことがありません。
個人的にはこのツートンカラーは変というほどではないですが、洗練されたデザインとは思えませんね。
まあ気にしなければいいだけですが。
性能のおける短所らしいものは感じませんでした。
ボールの弾き、スピン、コントロール、打感、どれを取っても高いレベルにある優秀なラケットだと思います。
ギュインギュイン落ちるトップスピン
はぜひ体験して欲しい!
Vコア100はこんな人におすすめ
Vコア2021はこんな人が使うといいんじゃないかな?と管理人が思うおすすめする人を挙げてみました。
YONEXユーザーにおすすめ
まず今までヨネックスのラケットを使ったことのある全ての人におすすめします。
ヨネックスのラケットって独特の細長い形をしていて、スウィートエリアも縦に長くなっていますね。
ヨネックスのラケットに慣れている人は自然とこの細長いスウィートエリアでボールを捉えることを覚えています。
他メーカーのラケットだとオフセンターとなるラケットの先端に近いエリアも、ヨネックスのラケットならスウィートエリア内。
しかもラケットの先になるほど遠心力が使えることになり、スピードもスピンも強く打てるという訳です。
ラケットの先に引っかけるようなショートクロスをコントロールできるのはヨネックスのラケットならではです。
もちろん今作のVコアも鋭いショートクロスを打ち抜くことが可能!
それどころか強烈なスピン性能を持つVコアの特長によって、より正確にコントロールすることができます。
今までヨネックスのラケットを使ったことのある人には進化した最新Vコアをぜひ使ってほしいですね。
スピン派におすすめ
しっかりとスピンをかけたいストローカーにもおすすめです。
Vコアのスピン性能はバボラのアエロにも引けを取らないと思っているくらいなので、キレの良い心地よいスピンを味わいたいスピンプレーヤーにはぜひ使ってほしいですね。
ストロークだけでなくサーブにおいてもスピン性能は発揮されます。
相手のバック側に高く跳ねるスピンサーブやキックサーブを得意とするプレーヤーにはイメージ通り、いやイメージ以上のボール軌道に満足できるのではないかと思います。
Vコア2021のテクノロジー
ヨネックスの最新技術が詰め込まれたVコア2021。
Vコアに搭載されているテクノロジーについて簡潔にご紹介します。
カーボン繊維の表面にカーボンナノチューブ(CNT)を均一に付着させ、樹脂との界面密着を向上させることにより、強靭なしなりと急激な復元力を生む「Namd」が「2G-Namd Flex Force」として進化。3次元構造のCNT層がカーボン繊維同士の相互作用でエネルギーロスを軽減し変形からの復元力が飛躍的に向上することで、ボールにスピンとパワーを与えます。
フレームの孔を広げ、グロメット筒の先を細くした新構造「String Sync Grommets」により、ストリングの可動量増加に加え、復元速度が約2%アップ。さらに、フレーム上部の横幅を広げた新フレーム形状によりトップ部のストリング可動量も4.3%増加することで喰いつき性能向上と、ストリングのスナップバック効果でスピン量も増加します。
特殊なメッシュ状の振動吸収素材をグリップ部に内蔵。 従来よりも広範囲に使用することで、振動吸収性が増し、快適な打球感を実現。
Vコア2021を試し打ちしたテニス仲間の感想と評価
Vコア100を打ちました。
前のVコアよりもずいぶん打ちやすくなったと思いますね。
あ、打った感触のことです。
しなるというか、柔らかい感じがします。
ヨネックスのラケットは振り抜きがしやすいのでスライスがしっかり伸びるように思うので好きです。今作のVコアもその遺伝子が引き継がれているようで安心しました。
打ったのはVコア98です。
僕のプレイスタイル(スピン)に合っているように思います。
ゴリゴリにスピンをかけるスウィングに応えてくれるので打ってて楽しくなるラケットです。
ちゃんとコートに入ってくれる安心感のあるラケットですね。
Vコア98とVコア100の両方を打ちました。
打球感以外はほとんど前作と変わりませんね。
いい意味でも悪い意味でもVコアはVコアで安心しました。
Vコア100を打ちました。
ダブルスメインのプレーヤーにも使いやすいと思います。
ネット際に沈めたい時もイメージ通りのスピンがかかるし、ボレーも思ったところに飛んでくれるし、言うことなしですね。スライスやロブショットも上手く打てたので、大きな欠点のないラケットという印象です。僕が欲しいくらいですよ。
Vコア98・100インプレ・評価まとめ
2021モデルのVコアが前作と大きく違うのは打球感で、その他はマイナーチェンジというか、ぶっちゃけほぼ同じ。
注目は打球感ですが、硬い打球感が好みの方にとってはマイナスです。
ですが多くの方にとっては打球感がマイルドになるのは受け入れやすいのではないでしょうか。
Vコアは未だに人気があるヨネックスの基幹商品で、ヨネックスとしては今回の新作で絶対に滑るわけにはいきません。
売れてくれないと困るのです。
ただでさえテニス業界が低迷している中で、ヨネックスの新作ラケットが失敗すればヨネックスだけでなく、テニス業界にとっても大きな打撃となってしまいます。
したがって僕は今作のVコアがどうなるのか心配していました。
でも試打をしてみてひと安心。
しっかりと前作の良さである高いスピン性能を踏襲しつつ、打球感が改良されて万人受けするモデルに仕上がっています。
大きな欠点もないのでどのラケットにしようかを迷っている方に、
「迷うならVコアにしといたら?」
って言える信頼できるラケットです。
コロナ禍の中で低迷する日本のテニス業界のひと筋の光になって欲しいと思います。
結局Vコアでいいと思うよ